准教授 高野先生の結婚


これからも、ずっとずっと二人の時間を重ねていけるという喜び、幸せ。

二人分の食器に二人分の料理、それを几帳面に盛り付ける、私の――未来の旦那様。

なんだかもう、その姿についついぽやんと見とれてしまう……。

「詩織ちゃん?」

「えっ」

やや不思議そうに、彼が私の顔を覗き込む。

おそらく、私は今かなーりゆるっと締まりの無い間抜けな顔に違いない。

まったく――

「なんか、もうね……」

「うん?」

「食べる前からお腹いっぱいになりそう」

「へ???」

私の意味不明発言に、彼が少々困惑気味にさらに不思議そうな顔になる。

「ちょっと、作りすぎたかなぁ……?」

「うんん、そんなことはないんだけど」

「そう???」

「うん、ぜんぜん。えーと……とにかく、冷めないうちに食べましょう!」

私はさあさあさあと彼を急かして、照れ隠しにその場をごちゃっと誤魔化した。