その夜――
「あのね、あのね!どのドレスがいいと思う?」
「うん?全部いいんじゃない?どれもキレイ、可愛いかわいい」
「全部って、これぜーんぶ着られるわけないし……」
「君が気に入ったのを着たらいいよ」
婚礼準備に一生懸命な新婦様は、大……いや、大までいかないけど小爆発をした。
「寛行さんの意見を聞いてるんだもん」
「じゃあ……これ?」
「え゛ーっ、それなのお?」
彼が指さしたのは、アンティークな雰囲気のエンパイアラインのドレス。
野に咲く花を集めて作った冠が似合いそうな雰囲気の。
それは、私としては“可愛いけどナイなぁ”と思っていたドレスで。
なおかつ、カスガイが“寝巻みたい”と言って笑い転げたドレスで……。
「僕の意見が聞きたいって言ったくせに」
「むぅぅ。だって……」
「“何食べる?何でもいいわ♪じゃあ和食にしようか!え~、和食かぁ……”」
「……感じ悪い」
「そりゃないよ……無理やり言わせたのは君じゃないか」
どすーん、ばうーん……。
む、無理やりって!なんかちょっとカチンときたんですけど!



