試着室のあるフロアは、窓が少なめでちょっと閉め切られた感じの空間だった。
用意されたのは、カタログで見たクラシカルなドレスが数点。
それから、柘植さんお見立てのオススメが何点か、なのだけど……。
「詩織さんの好みとは真逆のタイプなんですけどね、敢えて」
「えっと……」
袖はビスチェタイプで、ふあふあボリューミーなお姫様ドレス、って???
「“似合いっこない”というのは思い込みですよ。
まだお若いんですし、かわいい系もお似合いだと思いますよ」
「で、でも……」
「もちろん、お式で着るのはご本人が一番着たい!と思うものをお選びください。
こちらはとりあえず着てみるだけでも……案外気に入るかもしれませんし、ね?」
「う、うーん……」
私が戸惑っていると、カスガイがデジカメの画面を覗きこみつつ急かしてきた。
「じゃんじゃん着てみれ。バシバシ撮ってあげっから。ほれほれ、行動開始」
「お友達もああおっしゃっていますし」
「そ、それじゃあ」
格調高め?のクラシカルなドレスから、いま売れ筋の?キュートなドレスまで――
ちょっとした着せ替えごっこの始まりはじまり。



