准教授 高野先生の結婚


カスガイに“主体性のない優柔不断な花嫁”の烙印を押されてしまった情けない私。

でも、柘植さんがそんなダメ花嫁をしっかりフォローしてくれた。


「“ワケわかんなくなっちゃう”花嫁さん、けっこういらっしゃいますよ」

「ほ、本当ですか???」

「もちろんですよ。ドレスなんて着なれている人はそうそういらっしゃいませんもの。

気後れしてしまう花嫁さん、興奮しすぎて舞い上がってしまう花嫁さん、色々です」


柘植さんの優しい笑顔に心が和む。


「そっか……私だけじゃないんですね」

「大丈夫ですよ。これからお話ししていく中でイメージも固まってきますから」

「よ、よろしくお願いします!」

「お任せください。プロですから」


そうして柘植さんはわざとキリリとした顔をして、それからにっこりと微笑んだ。



イメージ固めの方法はなんというか――


「それではまず“これは絶対にないなぁ”というモノから消していきましょうか」

「“ない”モノ、ですね……」


うーん、これって私と寛行さんがご飯の献立を決めるときの戦法と同じのような……。


「スズキの好みはともかくだ、ダンナからの注文は何かないのかえ?」

「ん?彼は“君の好きなように”って言ってるよ?」

「本当かえぇぇ?そう言いつつ決めたモンに難癖つけてきたりしてな、アヤシイな」

「んなことないもん!“えー、焼き魚かぁ”なんて文句言ってきたことないし!」

「んあ?焼き魚???」

「い、いやややや……とにかく大丈夫!」


おっとっと……これじゃあまさに晩御飯の献立の話そのものだよ。