私がアンケートを記入している間、カスガイは熱心にカタログに見入っていた。
ドレスの写真が収められた分厚いリングファイルが数冊。
表紙には“Aライン”や“マーメイド”などテプラで作ったタイトルが貼ってある。
「いかがですか?そろそろご記入のほうはよろしいでしょうか?」
「は、はい!」
「んあ?どらどら?“書ける範囲で”ちゃんと書けたのかえ?」
「むぅ!書いたよ!“書ける範囲”で!」
ぬぬぬ~!カスガイめぇ~!
ま、忙しいとこ付き合ってもらっているし何も文句は言えないのだけど……。
「ご記入ありがとうございます。さっそく拝見させていただきますね。
そのあと、詳しいご希望やご相談など、少しお話しを聞かせてください。
それからお衣装と試着室のあるフロアへご案内させていただきますので」
「わかりました。お願いします」
柘植さんがフムフムとアンケートに目を通している間――
カスガイは相変わらずカタログを熟読していて、その隣りで私は……。
カタログを開いてページを繰るも、落ち着かなくてソワソワきょろきょろ。
「それでは、ご希望について細かくお伺いしていきますね」
「は、はい……」
あぅぅ……。
正直ちょっと困っているかも、私。
だって、細かい希望も何も……。



