准教授 高野先生の結婚


お店に着くと、小柄で可愛らしいお姉さんが笑顔で迎えてくれた。


「お待ちしておりました。お電話でお話しさせていただいた柘植でございます」

「よ、よろしくお願いしますっっ」


実は柘植(つげ)さんもOGで久遠さんとは仕事上の“つうかあ”の仲だという。

Y大学もそうだけど、同窓のネットワークというのは侮れないなとつくづく思う。


オフホワイトとごくごく淡い紫色を基調とした店内。

高い天井と大きな窓が、明るく解放感のある空間を演出している。

まずは、こちらの応接スペースでアンケートの記入から。


アンケートの項目には、新郎新婦の身長や服のサイズを記入する項目もあった。

ま、必要事項だし当たり前なんだろうけど。

でも……ど、どうしよう!


「あの、彼の足のサイズが……」

「空欄のままで大丈夫ですよ。ご記入いただける範囲でかまいませんので」

「んあ?なんだスズキは自分のダンナの足のサイズも知らないのかえ?」

「うぅ……」


だって、だって、だって!

靴なんてプレゼントしたことないし、靴下はあまり気にしなくても買えるし。

でも……あぅぅ……。

私ってば彼の奥さんになるのに知らないこといっぱいありすぎかも!?