それにしても――
予算オーバーでもめるならともかく、その逆でもめるなんて。
しかも、もう一つ余計に指輪を作ろうだなんてそんな……。
まるでお役所がやる年度末の予算の使い切りみたいだし。
とりあえずもっと消耗品買っとく?もう1コくらい穴掘っとく?みたいな。
加藤さんは、私たちのやりとりをニコニコしながら見守っていたのだけど――
「ハイ!恐れ入ります、またまた一瞬だけよろしいでしょうか?」
頃合いかな?というタイミングで何やら提案を出してきた。
「ハイ!もし、ご予算に余裕があおりで“もう少し何か”ということでしたら――」
「あの、カラフル指輪なんか作る気ないですから!ぜんぜん」
「頑なだなぁ、君は……」
「では、お二人の誕生石を並べてお入れするのはいかがでしょうか?」
「二人の誕生石を???」
「並べて、ですか???」
「ハイ!さようでございます」
「「なるほどー」」
そもそも、お互いの誕生石を入れ合いたかったのは――
“いつも一緒に”って思いがあったから。
物理的に離れているときでも心は一緒に。
お互いを守りあえますように、って。
だけど――
誕生石を自分たちの分身とするなら……。
その分身たちが指輪の中で片時も離れずいつも一緒にいるというのも素敵だな、って。



