准教授 高野先生の結婚


私のこだわりはズバリ!――


「内側だけちょっと凝りたいんです。外からはぜんぜん見えなくていいので」


誰に見せるでもない、ただ二人だけの秘密。

指にしているぶんにはわからない。

外見はごくごく地味なフッツーの輪っか。

しかーし!

はずして内側をよくよく見てみると……!?

まあ!なんということでしょう!みたいな。

見えない部分に気をつかうなんて、ちょっとお洒落で好ましいでしょ?なーんて。

けど、こういうのって――

女子が下着選びに妙に凝ったりするのと似ているかも?

普段は絶対他人に見せない。

服の上からじゃ、ぜーんぜんわからない。

でも、いざ服を脱いでみると……!?

おおーっ!!みたいな。

身につけている自分だけの楽しみ。

或いは、自分と唯一それを見られるパートナーだけの密かな楽しみ?なーんて。

もちろん、こんなしょーもない独り言は彼には内緒だ。

パンツと結婚指輪を一緒にするなんて……。

まあ、もっとも――

彼だって、自分たちの結婚話をパンチラに例えた人物だもの。

私のたわごとを聞いたとて、愉快に笑いとばしてしまうに違いないが……。


早速、持参した切り抜きを見せつつ、加藤さんにご相談。

「あのですね、こんなふうに内側に石を入れたいんです」

「なるほど……写真と同じ様にブルーサファイアかピンクサファイアをご希望で?」

「あ、違うんですけどっっ」

「ハイ!ご希望はどういったお石を?」

「えーっと、ですね……」

加藤さんの質問に思わず少し口ごもる。


だって、その、なんだかちょっと……。


照れくさいんだもん……。