准教授 高野先生の結婚


こうして話していると、遠距離恋愛でもないのに、もっとずっと話していたくて。

「じゃ、指輪のことは私が色々と見て調べておくね」

「そうしてもらえると助かるよ。僕は見てもよくわからないだろうからさ」

「寛行さんはとりあえず“こんなのは嫌”っていうやつだけ考えておいて」

「なんだかそれ、“お昼何食べる?”ってときと同じだなぁ」

「“ドクロって気分じゃないんだよなぁ”みたいな?」

「そうそう。“レーザービームはちょっと重いなぁ”とか」

「ホントだ、おんなじだぁ」

「うん、おんなじだ」

「ねっ」

「ねっ」

だけど、いくら名残惜しくても――

彼は仕事があるし、このままお喋りしているわけにはいかないから……。

「寛行さん、指輪見に行くのいつなら大丈夫???」

「夕方以降の時間なら何曜日でも。昼間なら水土日かな。どうだろう?」

「んじゃ、昼間がいいから日曜日!」

「じゃあ今度の日曜日。早速その“こ汚い店”に行ってみよう。早いほうがいい」

「うん!」

そうして、私たちは次の日曜に“こ汚い店”に行くことを約束して電話を切った。