准教授 高野先生の結婚


私たちの予定では、同居開始は2月中に、入籍は3月、挙式は5月のつもりだった。

一見すると準備期間が少なすぎ?とも思えるこのプラン。

でも、引っ越し先は彼のウチだから新居を探す手間はないし。

結婚式も出席するのは家族だけだから、招待者の調整などの段取りも必要ないし。

式場だって、キャンセル待ちが出るほどの大人気の会場でなければ取れそうだったし。

でも、今から大学の礼拝堂での挙式を希望するとなると――

「僕だって、ダメもとで言ってみたんだけどね。まったく期待しないでさ」

「うんうん」

挙式する時期は当初の予定よりも先になることは覚悟していた。

ところが!

「しかし本当にラッキーだったなぁ。ちょうどキャンセルで空きが出ていてさ」

「ねっ。すごいよね!」

なんと!幸運にも5月の日曜日でぽっかり空いている日があったのである。

「キャンセルとか変更の申し出って割とあるらしいよ。特に変更の相談が」

「そっかぁ。一年後の予約をしても、その間に状況が変わることは十分あるもんね」

「転勤なんかの仕事の都合もあれば、当人同士のではなく家族の都合だとかもさ」

「ふーむ。そうだよね、二人さえ良ければって話じゃないもんね」

「まあ二人きりで挙式というのもありだと思うけど……大概はそうでないからね」

「祝福されて結婚式したいものね」

「そうだね」