彼のすっとぼけて澄ました声色のなんといやらしいことだろう!
「きぃぃーっ!感じ悪っっ!」
「ごめんごめん」
悔しがる私と、それを愉快そうに高らかに笑う彼。
これが電話でなかったら、得意の頭突きを華麗にお見舞いしてやるのにぃ!
でも……。
今夜は、くんくんもすりすりもできない、ちょっぴり淋しい夜だから。
言葉を交わして心を重ねる温もりだけで我慢がまん。
「もう!早く、正解プリーズです!」
「ヒントはね――」
「うぎゃっ、まだ考えさせるのぉ!?」
「もう少し粘って頑張りなさいよ」
「“教員根性”丸出し風味ダ……」
「ま、教員だからね」
「開き直ってるし」
「ヒントは“礼拝堂”だよ」
「“礼拝堂”???」
私たちが結婚式を挙げようとしている、あの礼拝堂がヒントって……???



