真中君と桜庭さん以外の研究室メンバーに何故に報告できていないかというと――
「あのね、もう別に言いづらいってことはないんだけど。
もともと並木先生にちゃんとご報告が済んだら研究室の皆にもって思ってたし。
けど、なんていうか……。
いつどうやって言ったらいいかとか?そのタイミングとか方法とか?わからなくて。
ほら、年内はゼミも終わってるし、皆に伝える機会ってなかったでしょ?
かと言って、会う人会う人に伝えるっていうのもなんかなぁって思うし。
そもそも今の時期ってあんまり皆大学に来なかったりして会わないし。
だからってメーリングリストに投稿して報告なんてあり得ないだろうし……」
言い訳がましく聞こえてしまうかもしれないけど、これが事実。
そして、こんなふうに考えあぐねていることを寛行さんに話したのは初めてだった。
反応が気になっておずおずと様子をうかがうように彼を見遣ると――
「それならそうと……相談してくれたらよかったのに、僕にも」
彼はちょっぴり淋しさの混じったような、だけどとても優しい目をして微笑んでくれた。



