准教授 高野先生の結婚


ちょっと話し込んでしまったけど、問題は無事解決。

車は再び二人を乗せて師走の夜を走り出す。

さてさて、その目的地は――

「むぅぅ、彼氏のおうちに“出禁”だなんて。なんかなぁ……」

「こらこら。“出禁”なんて言い方よしなさいよ」

「だってー」

不貞腐れてちょっぴり頬を膨らせる。

残念ながら車はいま私のうちへ向かってる。

12月に入ってからずっと、私は彼のうちへ出禁をくらっているのだ。

もちろん、何か出入り禁止になるような粗相をしでかしたわけじゃあない。

「もう少しの我慢でしょ?修論さえ出してしまえば。ねっ?」

「そうだけど……あー、もう絶対に年内に出す!明日OK出ればすぐにでも出す!」

一時的な出禁は寛行さんの私への配慮。

集中して修論の仕上げに取り組みなさいという、ありがたーい思し召しなのである。

「僕の彼女は優秀だね。締め切り前の修羅場もなくて、余裕を持って年内提出とは」

「出禁効果?なんちゃって」

「だから、出禁はやめなさいって……」