ガチャッ


ドアが閉まったと思うと

時計台の下から声がする。


「…ふーんソユコト?」


灯台もと暗し?

とでもいうのか

二人は気づいていなかったようだ。


楽しいことになりそうじゃーん

とボソっというと

カシャンとフェンスを乗り越えて

自分のクラスへと向かった。




ヒソ…

「可威君だょ♪」

「うっわ今日も超かっこぃーッ」


そんな声に反応するわけもなく

可威という男は廊下を歩いていく。


ダンッ

誰かと肩が当たった。

「おいお前…って達也かよ」


「そーですよ俺ですよ…ってあ!可威!ちょっと聞け!」


そう言って達也は女を差し出した。


「この子、俺の彼女になった由美チャン♪」


「あ…よ…よろ…よろしくお願いします…」


それが、三人の出会いだった。