「え」 私はすぐ傍の自販機まで走り、慌てて缶コーヒーを買った。 「これ、どうぞ。本当ごめんなさい!」 彼はまいったなという顔をしたけど、すぐに「じゃあ」とコーヒーを受け取ってくれた。 一瞬手が触れて、胸がジュンっとした。 「俺、ブラック飲めないんだよね」 「…えぇっ!ごめんなさい。じゃあ他の…」 「いやいや!いいよ!」 私がまた駆け出そうとしたら、彼がすぐに引きとめた。 ふっと彼が笑い出した。 そして言ったんだ。