でも、話せた。



目が合った。

彼とやりとりした。


見ているだけだったのに、あんな近くで。



でも彼はもうこの道を通らないかもしれない。



嬉しさと不安に板ばさみにされて、私はとにかく立ち尽くした。

心臓だけが、乱暴にリズムを刻み、太陽は容赦なく照らしていた。