「家近いんで、ほんと大丈夫」 「え、あっ……」 彼は小さくお辞儀して、また来た道を歩いていってしまった。 遅刻の連絡だろうか。 ポケットの携帯が濡れていないか確認してから、誰かに電話をかけていた。 私はしばらく動けなかった。 どうしよう、私何したんだろう、とんだ迷惑だ。 笑ってくれたけど、絶対怒った。 絶対なんだコイツって思った。 絶対嫌われた!