「まあ…俺が用意できる魔法はここまでで、あとは香奈と2人一緒じゃなきゃ意味がない。
婚姻届のサインも、出しに行くのも、結婚指輪選んだり…結婚式の準備も…
う〜ん…結構忙しくなりそうだね?」
「ちょ、ちょっと、私、就職活動中で結構忙しいかも…」
一つ一つ指を折りながら確認する由樹兄ちゃんに、私がおずおずと言葉をはさめば。
「何で?香奈は俺んとこって決まってるだろ?
俺、そのためだけに頑張ってきたんだし?」
「へ?」
「だって、香奈が20歳って事は、俺ストレートに大学出ても23歳だし。
香奈を養っていけるように、必死に勉強して、いい会社就職したんだけど?」
「じゃあ、由樹兄ちゃんが勉強頑張ったり、バイトばっかりしてたのは?」
「もちろん、この日のためだけど?
1年一人暮らしして、アイロンがけも掃除もできるし、料理も結構上手いと思うよ?」
『当たり前』といわんばかりにニッコリと微笑む由樹兄ちゃん。

