お隣のお兄ちゃん



「だーかーら、魔法だろ?

俺たちが離れずに、ずっと一緒にいられる魔法?」



私が由樹兄ちゃんの胸の中で、叫ぶと。


由樹兄ちゃんは、ギュウって抱きしめてた腕の力を緩めるように私の腰にまわす。




「……、私の気持ちは?」



「香奈の気持ちはしっかり伝わったよ?」



「ふぇ?」



「笹の葉?約束のてるてる坊主3つと…

短冊に書いてあったよ?
〝由樹兄ちゃんが忘れずに迎えにきてくれますように…〝って……」



そう言って意地悪そうに微笑む由樹兄ちゃんに、全身が沸騰したみたいに、かぁ…って熱くなって。



もうどうしていいか、わかんない。