「かなー、手伝って？」
窓を開けて、やっぱりニコって微笑む由樹兄ちゃん。
由樹兄ちゃんによって開けられた窓から、夕方の爽やかな風が入ってきて、ふんわりとカーテンを揺らしていて。
夕暮れも最終段階に入った陽の光が、窓から差し込んで、オレンジ色に染まった、由樹兄ちゃんは。
昔公園で一緒に遊んでた頃の面影を残しつつ。
だけど、あまりにカッコよ過ぎて。
気が付けばその場に立ち尽くしたまま、見惚れていた私。
「あ、うん…」って慌てて返事して。
未だに手放していなかった、由樹兄ちゃんのハンカチをギュウって握りしめた。
同じくらいギュウって締め付けられた胸の痛みを誤魔化すように…
