「わりー、エアコンいれる前にちょっと換気させて?」
「う、うん」
「あ、適当に座れよ?」
きっと日中は太陽の無法地帯なんだと思うくらい、日当たりが良さそうな。
大きな窓のあるリビングの中は、蒸し暑い空気が流れていて。
玄関から1番奥手にある窓に向かってバタバタ歩く由樹兄ちゃん。
その、背中を追いかけつつ、部屋の中を少し遠慮がちにグルグル見回いている私。
男の一人暮らしの部屋にしては掃除が行き届いていて。
なんだろ、部屋の間取りっていうの?
そういうの詳しくないから、よくわかんないけど、2LDKっていうのかな?
私が今いる、リビングの他に個室っぽい、ドアが2つあって。
確かに、由樹兄ちゃんは一流大学を卒業して。
一流企業に就職したエリートさんだけど。
お給料いっぱいもらってるのかもしれないけど。
1人で住むには、どう考えたって…
広すぎるよね…?

