龍人大戦

クーネ・リオ
この街は結構デカい。
現在、最も国力があるユミル帝国が治める街の中でも、飛び抜けて活気がある。
機械工業が盛んであり、ユミル帝国の経済、産業を支えている。

必然的に人も集まるわけで。
人が集まる場所は娯楽も盛んなわけで。

日も落ち、周囲は暗く…ならない。
街灯が無限に広がり、夜の闇を切り裂く。
クーネ・リオは、その表情を変える。
工業の街から、娯楽の街へ。

「カジノ…闘技場…懸賞金…さてさて。どれでお金を稼ぎましょうか?ルシオくん」

「神に仕える人がそんなことして、いいんですか」

「あら。ナキ教には、賭博御法度という戒律はありませんわ」

うそぶくマリアさん。

「あっ、でもルシオくんはまだ16歳でしたか?ああいった場所はあまり情操教育によくないですわね…」

21歳のおねーさんと10歳の女の子と三人で旅している時点で、情操教育もくそもないと思ったけど、もちろん言わない。

「ていうかなにを今更って感じですよ。ここに来るまでに、けっこー言えないようなやばいこと。してますから」

…それに、流血沙汰にはなれてるし。

「言われて見れば、そうですわね…うふ」

クスりと笑うマリアさん。
…いや。僕自身はあんまり笑えるとこじゃないんだけどね。

「えっと…結局どうします?」

脱線し過ぎでもあれなので、話を戻す僕。

「そうですわね…。……闘技場にしましょうか。カジノはなんだかんだ言って、オーナーが勝つように仕組まれてますから」