「大賢者?そんな大層なやつがこの街にいるわけないだろ。魔法使いつったら『蜥蜴』だろ」
「知らないね。そもそも大賢者ってのはなんなんだ?」
「さあ?そんなことより、なにか買ってちょうだいな」
…。
この街についてはや2日。
誰に聞いても似たような回答。
いい加減うんざりだった。
未収穫のまま、特にあてもなく繁華街をあるく僕とマリアさん。
「さすが大賢者ですわね。全く情報がつかめない。完璧に潜伏していますわ」
マリアさんも似たような思いなのだろう。苦い表情を見せる。
「やっぱ。有力な情報となると、金次第なんですかね」
「ギルド…一番手っ取り早いですけど、それは、先立つものがあればの話ですわね」
情報屋。金次第で、どんな情報も掴める。
あくまで、金次第。
「それにしたところで微妙ですわ。専属の探索系魔法使いがいたところで、リリーさん以上の使い手とは、とても思えませんもの」
群を抜いているリリーがてこずっているのに、ギルドの魔法使いが大賢者の居場所を突き止められるとは到底思えない。
僕も同感だった。
「あっ、でも。大賢者がギルドと現在も通じている可能性は、あるかもしれませんわね」
思い出したかのごとく、手をたたくマリアさん。
「…ギルドに払うようなお金、ありませんよ?」
せっかく希望が見えかけた発想に水をさしたくないものの、実際にそんな金はない。
別に僕たちは貧乏旅ってわけじゃないけど、そんなに裕福でもない。
マリアさんもわかっているはずだ。
だが。
「ウフフ…お金など、その気になればどうとでもなりますわ」
と、マリアさんは頬が歪ませる。
…なんか嫌な予感がした。
「知らないね。そもそも大賢者ってのはなんなんだ?」
「さあ?そんなことより、なにか買ってちょうだいな」
…。
この街についてはや2日。
誰に聞いても似たような回答。
いい加減うんざりだった。
未収穫のまま、特にあてもなく繁華街をあるく僕とマリアさん。
「さすが大賢者ですわね。全く情報がつかめない。完璧に潜伏していますわ」
マリアさんも似たような思いなのだろう。苦い表情を見せる。
「やっぱ。有力な情報となると、金次第なんですかね」
「ギルド…一番手っ取り早いですけど、それは、先立つものがあればの話ですわね」
情報屋。金次第で、どんな情報も掴める。
あくまで、金次第。
「それにしたところで微妙ですわ。専属の探索系魔法使いがいたところで、リリーさん以上の使い手とは、とても思えませんもの」
群を抜いているリリーがてこずっているのに、ギルドの魔法使いが大賢者の居場所を突き止められるとは到底思えない。
僕も同感だった。
「あっ、でも。大賢者がギルドと現在も通じている可能性は、あるかもしれませんわね」
思い出したかのごとく、手をたたくマリアさん。
「…ギルドに払うようなお金、ありませんよ?」
せっかく希望が見えかけた発想に水をさしたくないものの、実際にそんな金はない。
別に僕たちは貧乏旅ってわけじゃないけど、そんなに裕福でもない。
マリアさんもわかっているはずだ。
だが。
「ウフフ…お金など、その気になればどうとでもなりますわ」
と、マリアさんは頬が歪ませる。
…なんか嫌な予感がした。
