龍人大戦

「いずれにしても、見つけてから心配する話ですわね」

カプチーノを飲み干したマリアさん。

「違いないっす。とは言っても、基本『リリー』の『魔眼』待ちですけどね」

「…我ながら情けないですわ。いくら特別とはいえ、十歳の女の子の力に頼りっきりなのですから」

「あんまり深く考えないほうがいいと思いますけど。あいつは特別の中の特別ですから。ていうか、この街まで突き止められたのもリリーのおかげだし」

リリー。魔法研究機関『蜥蜴』の最高傑作。

「それはわかっていますわ。でも……いえ、愚痴ってもしょうがないですわ…ね。ルシオくん。休憩はここまでにして、聞き込みを再開しましょうか」

立ち上がるマリアさん。
そうですね、と僕も立ち上がった。
マリアさんは真面目 だ。本当にそう思う。
あんまり真面目じゃない僕にとっては、良い仲間だ。

「どうしました?早くいきましょう」

「あっ、はい」

颯爽と歩くマリアさん。
実に優雅な後ろ姿だった。