龍人大戦

「ハーフエルフにしろ、ドラゴンハーフ(半龍人)にしろ、人間よりもエルフや龍人の血が色濃くでる。それは外見にも反映され、エルフの特徴的な尖った耳、龍人なら角がでる。しかし君の場合は、龍人の力を引き出せるだけで、外見は人間そのもの。つまりドラゴンハーフですらない」

彼女は続ける。

「私の結論をいうとね。君はドラゴンクォーターかもしれない…と思う。ドラゴンハーフと人間の混血ね。しかし、先の仮説から鑑みるとそれは有り得ない。本来個体として完璧であるところのドラゴンハーフが人間と交わる必然性がない。…だから私はこう表現したのさ。『君は本来有り得ない存在かもしれない』とね」

少年は答えない。

「有り得ない存在であるがゆえ、君は世界を滅ぼす可能性がある。そのことをよく考えておくことだね」

少年は最後まで答えなかった。