「でしたら、S闘技場に参加しますわ。もちろん、闘士としてわたくしが出場します」
即決のマリアさんだった。
闘士同士がなにかを賭けあう…単純明快。そして幾度となく闘う必要がない。金額の折り合いさえつけば、一回ですむ。
回りくどいことをよしとしない、実にマリアさんが好む内容だ。
「…かしこまりました。では、ご自身が賭けるものを提示してください。賭けられるものは口答で結構です」
受付嬢は意外そうな顔をみせた。恐らくは僕が闘士として出場と思ったのだろう。
周りから見れば、優男なんだろうけど、一応、男は男だし。マリアさんは女だし。
…実際、僕が出場してもなんら支障はない。誰が相手であろうとそれが『ただの人間』なら、負ける気がしない。
しかし、それは『マリアさんも同じ』なのだ。
だからこそなにも言わない。
「相手には、お金を賭けてもらいますわ。…そうですわね…ずばり1000万ミル。代価として『わたくし自身』を賭けの対象としますわ」
「!?」「!?」
これは僕も驚いた。受付嬢も口が開いてふさがらない。
「どうしました?問題はないはずですわ。仮にわたくしが戦闘で絶命したとしても、内臓や手足を売却すれば、1000万ミルに届くはずですもの」
…うーむ。さすがマリアさん。思考回路がちょっとサイコってる。
「い…いえ。あの、一応確認のために言います。一度エントリーをしてしまったら、棄権はできませんよ…?お客様の場合、相手様の条件が『1000万ミル出す』だけですので、つまり、1000万払えるのならどんな相手様でも棄権できないということになります。賭けの対象を渡すのなら、話しは別ですけれど…お客様の場合…」
口ごもる受付嬢。だがその先は容易に想像できる。
敗北したら死。棄権しても死。
つまりはそういうこと。
しかし、マリアさんは
「心配無用ですわ。早くエントリーしてくださいな」
と、一蹴した。
即決のマリアさんだった。
闘士同士がなにかを賭けあう…単純明快。そして幾度となく闘う必要がない。金額の折り合いさえつけば、一回ですむ。
回りくどいことをよしとしない、実にマリアさんが好む内容だ。
「…かしこまりました。では、ご自身が賭けるものを提示してください。賭けられるものは口答で結構です」
受付嬢は意外そうな顔をみせた。恐らくは僕が闘士として出場と思ったのだろう。
周りから見れば、優男なんだろうけど、一応、男は男だし。マリアさんは女だし。
…実際、僕が出場してもなんら支障はない。誰が相手であろうとそれが『ただの人間』なら、負ける気がしない。
しかし、それは『マリアさんも同じ』なのだ。
だからこそなにも言わない。
「相手には、お金を賭けてもらいますわ。…そうですわね…ずばり1000万ミル。代価として『わたくし自身』を賭けの対象としますわ」
「!?」「!?」
これは僕も驚いた。受付嬢も口が開いてふさがらない。
「どうしました?問題はないはずですわ。仮にわたくしが戦闘で絶命したとしても、内臓や手足を売却すれば、1000万ミルに届くはずですもの」
…うーむ。さすがマリアさん。思考回路がちょっとサイコってる。
「い…いえ。あの、一応確認のために言います。一度エントリーをしてしまったら、棄権はできませんよ…?お客様の場合、相手様の条件が『1000万ミル出す』だけですので、つまり、1000万払えるのならどんな相手様でも棄権できないということになります。賭けの対象を渡すのなら、話しは別ですけれど…お客様の場合…」
口ごもる受付嬢。だがその先は容易に想像できる。
敗北したら死。棄権しても死。
つまりはそういうこと。
しかし、マリアさんは
「心配無用ですわ。早くエントリーしてくださいな」
と、一蹴した。
