龍人大戦

闘技場。それは荒くれ者のメッカである。
血と金に飢えた者たちが、退屈な日常に刺激を求める一般人が、集う。
施設の規模は様々だが、少し発展した街なら、基本、闘技場は存在している。
しかし、ここはクーネ・リオ。闘技場の規模が桁違いだった。
町外れに建てられたコロシアムは、一万人を余裕で収納できそうな規模だった。


「…でかいっすね」

率直な感想を述べる僕。

「人も多いですわね…」

入り口付近、がやがやと人でごった返している。

「まずは受け付けですわね。今更ですが、昨日の今日で参加できるか聞いてみませんと」

「ちょっ。待ってくださいよ~」

雑踏をかぎわけ、中に入る僕とマリアさんだった。

30分後。
ようやく受け付けの番が回ってきた。
「リオ・コロシアムへようこそ~」
飛びっきりの笑顔でむかえる受付嬢だった。

「お二人様で観戦でしょうか?なら…」

「参加はできませんの?」
「えっ?」

受付嬢の言葉を遮って放ったマリアさんの言葉に、固まる受付嬢。
無理もない。
どう見ても戦いには無縁そうな二人だから。

「えっと…選手として出場したいということでしょうか?」

「そうですわ。なにか問題でも?」

受付嬢の反応が予測の範疇だったためか、マリアさんはこともなげに返答する。

「…いえ。原則として、年齢や性別による出場制限はありません。とは言っても、登録外の飛び入り参加ですと、出られるランクが限られてきますが」

「と、いうことは、今日参加出来るんですね?」

これは僕の質問。