カシャンッッ




フェンスが出すその音と共に、校庭に写っているあたしの影にもう一つの大きい影が重なった



…!!!



あり得ない。期待しちゃいけないのに…




あたしの両脇に長く延びた腕



後ろから穂のかに香る甘い香り



もぅ、振り向かなくたって誰だか分かった



間違える筈がない…



「…三木。」