「ん。じゃあな」



パタンと携帯を閉じて、ソファーに戻ってくる



そして、再び手をパチンと合わせてスプーンを手にとりシチューをすくう



黙々と食べる三木



あたしは手を止めて三木をじっと見つめた




「だから、お前見とれすぎ」



「あっ…ぃゃ…」



声が小さくなる



しかし、三木はあたしを見透かしたように優しい声で追い討ちをかける



「言えよ。聞いてやるから」



~~っ…




そんなの反則だよ



あたしは少し間をあけてから言った



「あの…レイラさんって…誰?」



三木と目が合わせられない



「………知り合い」


それだけ言ってまたシチューをすくって口に運ぶ



言えって言ったのは三木なのに…

なによ。その態度



…やっぱり言わなきゃ良かった




前と一緒。

三木、あたしがレイラさんのこと聞くとちょっと不機嫌ぽくなるんだもん…