「素敵な歌詞だな」 低く闇に飲まれていくその声にあたしは振り向かない。 「そう?ありがとう」 「ああ、CDにして毎日聞きたいくらいだ」 「言い過ぎ」 ポツリと囁くと笑い声が聞こえた。 「本当だ。英語上手いんだな」 「えぇ。幼い時、海外へ住んでいた事があるの」 近づいてくる足音があたしの横で止まった。 横に視線を移せば… あたしは固まった。