何故かあたしは落ち着いてた。


これは―――幽体離脱というやつかな?


ベッドの横で、リンゴの皮をむいているババアの姿が目に入った。


なんだ、ここは病院か。どうりで薬品クサイと思った。


でも、なんで病院なんかにいるんだ?


まるで病人じゃないか。


その時、ドアがノックされてババアは振り返った。


「こんにちは」


顔を覗かせたのは、由加だった。