「ここか」

流石に違うわね~大企業ともなると貫禄が。
よそ行き用のスーツを着てきてよかったと改めて実感する。

入口は幸にもセキュリティシステムがなくすんなり入れた。
とりあえず怪しい者ではないことを誇示するためにも、受付に向かう。

「あの、すみません。私、青山藍と申しまして……」

「青山様ですね、お待ちしておりました」



名前名乗っただけで分かるとは、さすが。
綺麗な受付のお姉様にもどうやら話が通じていたようだ。

「どうぞこちらへ」

そう言われるままにエレベーターへと導かれる。
私一人のために、随分手厚い出迎えだなぁと申し訳なくもなる。

行き先は四十五階。
『応接室』


──コンコン。