「とっ……止まってる……?」
恐怖のあまりに瞑った目をゆっくりに開けた。


生きている――、


爆発は回避することができたんだ。

「いやいや、お見事です」

「やったね!!」

「ふぅ~っ!寿命が十年は縮んだわよ。こちらこそ、ありがとう葵君」





一方、廉はビルの裏の駐車場スペースの一角で犯人を追い詰めていた。

「これで……全てが終わる」
謎の女は静かに目を閉じてその時待っていた。

「やっと見つけたぜ」

「誰だ!」

「やだなぁ~そんな怖いしちゃって。せっかくのかわいい顔が台無しだよ」

「お前は一体……」

「ただの花屋。どうやら相棒が上手くやってくれたみたいだな」

「チッ!」
女は拳銃を取り出すと銃口を廉の背中に押し当てた。

「随分と物騒ですなぁ」

女は拳銃を取り出すと銃口を廉の背中に押し当てた。
これができる最後の抵抗とも言えよう。

「まだ終わらなくてよ。お前を殺すまではね」

「……ったく、聞き分けの悪いお嬢さんだ」

「!?」

こういう修羅場の場面をいくつも経験してきた彼にとっては、わけないことなのかもしれない。

「くっ……私の頭上をジャンプして飛び越えるとは」

彼女の両腕を背後からクロスさせ思いっきり掴むと、その反動で右手に構えた拳銃が、十数メートル先に吹っ飛んだ。