ネコ専務シリーズ2

「じゃあさあ、お前って
 「風邪の他人の矯正歯科」も
 「舎人(とねり)のトート老」も
 「マジな宅急便」も知らないワケ?」

「知らないって」

「じゃあ、
「紅のブッダ」
「そこのけ姫」
「戦闘地ヒーローの神隠し」
「タオルの動く城」
「ケガを覚悟の上のポニ男」・・」

スタジオ・ゼブラがこれまでに作った
大ヒット有名アニメを指折り挙げていく
ネコマニアだったが、

ことごとく聞いたこともないという猫子
を前に、少年は呆れるのを通りこして
ついに笑い出した。

「ハハハハ、何だよそりゃ。
 お前ホントに日本人かあ? バッカ
 じゃねえの?」

「バカとは何よ! だいたい、その
 「お前」って言うのやめてくれる?

 あんたにお前呼ばわりされる筋合い
 はないのよ」


☆「舎人」(とねり)というのは、
 奈良・平安時代に皇族や貴族の身の
 回りの雑用をした人だよ。