5)肉球による芸術運動によって、社会
  主義の世の中をつくろうとする
  「肉球社会主義」

6)肉球を用いて生まれる芸術の数々を、
  脳神経とのつながりから捉えようと
  する
  「ニューロン肉球主義」

7)肉球を純粋に美術にのみ用いる
  「芸術肉球主義」またの名を
  「肉球原理主義」

8)オカルト的な解釈でもって肉球を
  とらえる
  「神秘肉球主義」


他にもいくつかの主義があるが、主な
ものはこの8つ。

これほどにも考え方の違う人々が、ひと
つの団体に所属しているものだから、
部外者にはとても理解できないような
理由による摩擦も多く、

近年、「ニックQ」は再三分裂の危機に
陥っていた。

しかし、日本美術界では全員合わせても
しょせん弱小の流派である「肉球派」と
しては、

各派がバラバラでいるよりも、まとまっ
て行動することのメリットの方が大きい
ことでもあり、

芸術団体「ニックQ」は内部にさまざま
な火種を抱えながらも、ひとつの団体と
して存続し続けているのであった。