ネコ専務シリーズ2

「あのさ」

シンイチがあらかた食べ終わり、体を
なめているのを見計らって、シロが
声をかける。シンイチは体の掃除を
中断して、シロを見た。

「何?」


「あなた、お金持ちの家の猫だった
 んでしょ? 今の野良猫暮らしと
 どっちが良かった?」


「それは、今の方がいいよ。
 2本足に飼われるのは、ちょっと
 僕の趣味じゃないんだ」


「子猫のときから2本足の家にいた
 のよね?」


「まあね。気がついたら2本足の
 家に住んでたよ。ま、気楽な良い
 暮らしではあったけどね。

 そこに小さいお嬢さんがいてね、
 僕ととても仲が良かったんだけど、
 僕が家を出るのを諦める理由には
 ならなかった。

 猫は自由でなきゃ嘘だよ」