ぼくの太陽 きみの星

西日のオレンジ色の光が差すなか、心に染みわたるようなほろ苦く甘い香りをゆっくりと味わいながら。


しばし何もかも忘れて浸りかけたぼくは。



ふと横の未怜ちゃんを見て、驚いてコーヒーをこぼしそうになった。




(――え……?)




未怜ちゃんの頬に、ひとすじの光る線。




(――泣いてる)




鷹耶さんが家を出てから、一滴も流さなかった涙。




未怜ちゃんは、呆然として手元のコーヒーカップを見つめていた。

見開いた目から大粒の涙がぽろぽろこぼれて、頬を流れてあごから落ちた。


(――何?

……コーヒーに思い出でもあったのかな?)


コーヒーなのか、何がきっかけかわからなかったけど。


今まで感情らしい感情が消え失せたように見えた未怜ちゃんの涙は――




……いい兆候と思っていいのかな?