「君さ、よくここにいるでしょ」 まさかあたしが屋上に来ていることなんて、彼は知らないと思っていたから驚いた。 放課になるとあたしがよく姿を消すことを疑問に思って、一度だけ後を追ったことがあると彼は言う。 全く気がつかなかった。 彼は微笑んで、戸惑うあたしに言った。 「俺もこの場所が好きだよ」 激しい吐息が重なり合う。 お互いを求めるように、とても激しく。 あたしはこの時を待ち望んでいた気がする。 ずっと彼を求めていた気がする。