「…きっと彼も気付いてるんじゃないかな。あんたの出方を待ってるかも」 「そんなことあるわけないーーーー」 どくん、とあたしの鼓動が大きく高鳴った。 右斜めの席に座っていた彼がこっちをじっと見ている。 何もかも見透かしたようなそんな瞳で、あたしをじっと。 唇が、体が震える。 「屋上に来て」 彼に呼び出されたのはその翌日のことだった。