初めて彼と会ったのは二年前。


木漏れ日に照らされた彼の髪が橙色に輝いて、それがあまりにもきれいだったからあたしは思わず触れてしまいたい衝動に掻き立てられた。


たぶんここで触れたら、彼は怪訝な顔をしてあたしを見るだろう。


その視線が怖くて、あたしは彼から逃げるように教室を飛び出した。






『立ち入り禁止』の貼り紙を無視して屋上の扉を開けると、生暖かい風があたしを優しく包む。


ここに来ると、まるで別世界に入った気分になる。


学校の中でも唯一のあたしのお気に入りの場所。








ひんやりとしたコンクリートの上に腰掛けて寂れたフェンスの網にもたれながら広々とした青空を見上げる。


太陽がさんさんと輝いていてその光は目を開けていられないほどに眩しい。






彼はまるで、太陽だ。