「なるほどね。それ光輝クンから聞いたってことは当然あのことも耳に入ってるよね」
「あのこと?」
ふふ、と笑い声。
「私が光輝クンのこと好きだったこと」
あたしは押し黙った。
やっぱり本当だったんだ。
なんだか信じられない。
だって今までのカナはちっともそんな素振りを見せなかったから。
「もう昔の話よ。今は哲郎っていう彼氏がいるんだし」
「…うん、そうだよね」
「ごめんね。なんか言うタイミング逃してさ」
「ううん、大丈夫。あたしのことは気にしないで。それより…」
「なあに?」
「不登校だったこと、光輝に告ったことと何か関係があるの?」
少しの、間。
「どうしてそう思うの?」
「え、いや、なんとなく…」
「確かに光輝クンにフラれたけどさ、私は別にそれで不登校になったわけじゃないよ」
「じゃあ」
「ほら前に話したことあったでしょ。光輝クンに告白した子がカノジョにリンチされたって話。実はあれ、私のことなんだ」


