「俺もトイレ」
そう言って彼はそそくさと出ていく。
あたしはそんな彼の背中をぼんやりと見つめていた。
もしカナが本当に彼に告白したのなら、彼は一体どんな風に答えたのだろう。
…まさか、付き合ってはいないよね。
だってカナからそういう話聞いたことないし。
「光輝クンってさ、久しぶりに話したけど変わらないよね」
えっ、とあたしはカナに目を移した。
「私、光輝クンと同中だったの。その時からすっごくモテてたよ、光輝クン」
初めて聞く話にあたしは戸惑いながら「そうなんだ…」と返した。
光輝と同中だったんだ。
どうして言ってくれなかったのだろう。
言えない理由があったんだろうか。
もしそうだとしたら、二人はやっぱりーーーーー。


