ターコイズブルーの空




その日からあたしと彼は放課になると屋上で落ち合うようになった。



二人で一緒にコンクリートの上で寝転がって青空を見上げる。





「今日はいい天気だね」


「そうだね」




そんななんでもない会話を交わして彼と手を繋ぐと、優しいキスがあたしの唇に舞い降りた。


そして教室に戻るとお互い何事もなかったかのように過ごす。







彼とは屋上で抱き合う関係。


ただそれだけだった。






でもあたしはその関係が嫌いじゃなかった。






少しの間だけでもあたしだけが彼を独り占めできることが嬉しかったから。






例え、彼があたしを他の誰かと重ね合わせていると分かっていても。





あたしは十分だった。