大きな手があたしの髪を優しく撫でる。 海の香りが包む中で彼はあたしをじっと見つめて薄い唇に笑みを浮かべた。 教室で見せる笑顔とは違う、少し冷たい笑み。 ーーーあ…。 この顔、あたし好きだ。 あたしはそっと彼の頬に手を伸ばそうとする。 と同時に、激しい痛みがあたしを貫く。 彼の肩越しに見える青空がどこか歪んでみえた。