もう息子を意識せずに生きていっても、私の価値は下がらないはずだ。                           
 思えば息子の将来に意識を過剰に傾けていたのは、私の価値を高めたかったからなのかもしれない。                          
 もう自分の人生を歩んでいいはずだ。                                                      
 でも、もうそれは叶わない。                                  
 私は息子に疑念を抱いて以来、それを払拭できず、緊張状態がずっと続いたせいか精神が病んだ。                             
 あれは恐怖だった。