それから息子の行動に疑いを持つようになった。                         
 疑いを持つと不思議なもので、息子の行動、言動が全て嘘のように思えた。                         
 こいつは一体、何を考えているのだろう?                            
 日に日に明るくなっていく息子を見るたび、私の身体を気遣う素振りを見せるたび、私はそう考えるようになった。                               
 そして私は息子を試すことにした。                               
「あーそうだ。生命保険に加入したから、俺にもしものことがあっても大丈夫だ」                                   
 そう私が言うと息子は「そうですか・・でも身体は大切にしてください」と言って微笑んだ。