その日を境に成績はぐんと上がり、寡黙だった息子はどこか明るくなった。                         
 それと私の身体を気遣うようにもなった。                            
 ますます理想の息子になってきているようで、私は歓喜した。                               
 でもどうしてだろう。                         
 妙な胸騒ぎがする。                          
 それは息子がどんどん私の理想に近づいていると認識するたびに、私はたぶん妙な胸騒ぎと何かを感じていた。                                 
 嫉妬とは違う。                            
 身の毛のよだつような何かだ。