息子は順調に成長していった。周囲から息子の教育の仕方を訊ねられるほどに、思い描いた通りに知能を上げていった。                             
 成績優秀の上、おとなしい性格に育った息子は私の自慢であり、希望だった。                        
「なんて素晴らしい子なんだろう」                                
 酒を呑むといつも私はそんな歓喜の言葉をもらしたものだった。                               
 頭もよく、おとなしくて聞き分けのいい子なんてそうはいない。                               私は今まで優良な教育を与えていただけで、それに順応してくれればよかったが、そろそろより高いものを息子に求めることにした。