男が願ったことをしてやった。                                 
 男を引き裂いて近所にばらまき、望み通りに混沌を生じさせてやった。                           
 勘違いをしていた。                          
 男は被害者になるはずがないと確信していただろう。                                   
 私に狂気と恐怖を植え付けたのだから、自分は安全だと勘違いしていた。                          
 男に対する恐怖心なんて、男への殺意に比べたら小さなものだった。                            
 結局、あっけなく終わり物足りなさを感じた。