もう手がつけられない状態になっていた。                            
 欲求を抑えようとすると、血の流れが早くなり、「壊せ」と幻聴まで聞こえるようになっていた。                           
 鏡に映る私の顔はもはや人間のそれではなかった。“悪魔”か“怪物”、そんな絵でしか存在しないような物にも見えた。


 限界だった。                             
 私は隠し持っていたナイフを手に、部屋を飛び出した。